




もうあたし、これでいつ死んだっていいわ。
海のそばにある家。そこで彼は、日に日に弱っていく妻を一人看病し続けていた。
横光利一の『春は馬車に乗って』が、『26文字のラブレター』などで知られる人気イラストレーター・いとうあつきによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
著者:横光利一
明治31年(1898年)福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部除籍。菊池寛に師事し、『蠅』と『日輪』を同時期に発表してデビュー。「文学の神様」とも称された。代表作に、『機械』『旅愁』などがある。
イラスト:いとうあつき
イラストレーター。文教大学教育学部心理教育課程卒業。保育士として勤務後、イラストレーターに。 ギャラリーDAZZLE実践装画塾7期修了。著書に『26文字のラブレター』がある。
いとうあつきさんからのコメント
病に臥せた妻と看病する夫の物語です。
愛する人がいること、その人が死へと向かっていること、必死に看病をしながらそれを辛く思うこと、
相反する感情の間で揺れる二人の姿を私なりの解釈でイラストにしました。
楽しんで頂けましたら幸いです。